研究会の主旨

化学においては、相互作用が中心課題のひとつであるといえる。化学結合も原子と原子の相互作用の結果であり、反応も、結合と結合、あるいは分子と分子の相互作用の結果である。結合の性質は、電子密度の偏りによってイオン結合―極性結合―共有結合と変わり、結合している原子の性質から推測するにさほど困難ではない。それにくらべれば、結合の相互作用は、その種類のみならず空間での位置関係によっても異なり、千差万別である。そのため、結合間の相互作用を定量的に評価する機会の方が圧倒的に多い。結合相互作用が評価できれば、分子間の相互作用も評価できる。したがって、結合の相互作用が中心になるのは自然である。

化学結合の相互作用を評価する結合軌道としては、対角化されたεij 行列に相当する一組の分子軌道をユニタリ変換して得られる局在化軌道(LMO)や、電子ができるだけ個々の軌道を占めるように変換した自然結合軌道(NBO)などでは、不適切である。なぜなら、それらはすでにすべての軌道の相互作用を含んでいて、すなわち、“結合軌道”の相互作用の結果を含んでいるので、それらの相互作用を再び評価することは不合理である。与えられた分子の電子状態における化学結合の相互作用を研究するためには、それにふさわしい“相互作用するまえ”の結合軌道(それぞれの結合の結合性軌道と反結合性軌道)を知る必要がある。ここでは“相互作用前“結合軌道をもとめ、それら結合軌道の間の相互作用を解析する方法を提供する。

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更新履歴

2016-01-31
Windows(64ビット版)用のプログラムを公開しました。

使用方法

適用事例

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